カンボジアの活動紹介

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「プノンペン市西部地区低所得者層の人々の命を守るセーフティーネット強化事業」の3年間の実施期間を終了するに伴い、カンボジア事務所を閉じ、プロジェクト開始当初からのカウンターパートであるポチェントン病院へ拠点を移して支援することとなりました。
これからはセカンドハンドの協力の下、医療従事者の救急対応能力向上について日本への招聘を行うとともに、定期的に日本人医師等を派遣し、医療従事者の研修、住民啓発活動のフォローアップ、救急隊の支援等を行っていく予定です。
今後も変わらぬお力添えをお願いいたします。(2011年1月)
カンボジアでは、プノンペン市における急激な人口増加と共に、低所得者の人々の間でオートバイが広く普及しています。そのため、交通事故が多発しており、カンボジアにおける死因の第2位は交通事故によるものとなっています(第1位はHIV)。カンボジア全土で、平均して1日4人が死亡、100人が外傷患者という深刻な状況です。
しかしながら、カンボジアには、「119」に連絡すると全国どこでも無料で救急車がかけつけるといった制度が整備されていません。また、「救急車」が何なのか知らない人も数多くいます。
そのような状況を改善するため、2008年、TICOは香川県高松市のNPO法人セカンドハンドと共同で「救急システム構築事業」を開始しました。
プノンペン市西部地区では、急激な産業開発に伴う人口増加や中心部から移住してきた人々の居住地拡大に伴い、交通事故が多発。
TICOは、JICA草の根パートナーシップ事業として、プノンペン市西部地区の低所得者層の人々が救急事案発生時に適切かつ最低限の救急ケアを受け、適切に転院・搬送が行われるように、以下の活動を実施しています。
①病院・診療所のための救急対応ガイドラインの作成
②医療従事者の基礎救急対応に関する知識と技術向上のための研修
③地域住民に対する初歩的な救急対応の知識の普及
ポチェントン病院での緊急対応研修
ポチェントン病院の救急隊員
受け入れる側の救急対応能力が向上しても、患者が医療機関にアクセスできなければ意味がありません。
そこで、上述の活動を補完し、低所得者層の人々も適正な価格で公正に救急車を利用できるようにするため、TICOの協力団体であるセカンドハンドと共同で、公立病院であるポチェントン病院において、救急隊の構築と運営、技術向上の支援を行っています。
交通事故そのものの減少に寄与するため、WHOやNRSC(国家交通安全委員会)と協力し、ヘルメット着用強化のためのポスターを作成しました。
作成したポスターはCRC(カンボジア赤十字)の学生ボランティアを通じて、プノンペン市やバッタンバン州等の交通事故の被害が多い地域にて配布・啓蒙を実施しています。
ポスターについて説明する
CRCボランティア